同じ病気を抱える人に相談できる「PatientsLikeMe」

病人のためのWebサービスで一番有名なのは「PatientsLikeMe」でしょう。2004年にアメリカでスタートし、今年2014年で10周年という大御所のWebサービスです。

10万人近くの難病患者の方の医療情報を集めており、その情報を医療機関(病院、製薬会社など)に販売しているビジネスモデルです。難病患者という、非常にニッチなユーザ同士をつなぎ、集めることで、ユーザにも医療機関にも価値あるプラットフォームになっています。

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▲PatientsLikeMe
http://www.patientslikeme.com/

PatientsLikeMeのモデルは日本でも多くの方が研究し、実際に挑戦された方もいると思いますが、
2014年時点で成功しているWebサービスはありません。「日本語圏であるため対象ユーザの母数が少ない」「日本は文化的に病気であることを隠す」「集めた医療情報を購入してくれる医療機関が見つからない」など、海外の状況と異なるためかもしれません。

ただ、PatientsLikeMeの「病人同士がつながるプラットフォーム」は、本当に困っている病気の方同士のためのWebサービスになり得ると考えています。それができない根本的な問題を見つけ、解決することができれば、「病人のためになり」「ビジネスモデルが成立する」Webサービスをつくることは可能でしょう。

医療系プロジェクトのクラウドファウンディングができる「MedStartr」

クラウドファウンディングができるWebサービスは海外でも日本でも一般的になってきました。この「MedStartr」は、医療系プロジェクトに特化したクラウドファウンディングサービスです。

クラウドファウンディングの大手サービスといえばKickstarterですが、実はKickstarterはヘルスケアなどの医療系プロジェクトは対象外なのです。なので、このMedStartrはKickstarterでは投稿できない医療系プロジェクトに特化したニッチのクラウドファウンディングといえます。

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▲MedStartr
http://www.medstartr.com/

日本では医療系に特化したクラウドファウンディングはまだありません。しかし、READYFOR?やJustGivingJapanなどのクラウドファウンディングで、医療系プロジェクトで成功している例はいくつもあります。近い将来、日本にも医療系に特化したクラウドファウンディングがつくられ、そこから新しい医療系サービス・プロジェクトが誕生することでしょう。

うつ病の症状を改善できるWebサービス「U2plus」

メンタルヘルスケアのWebサービスで有名な日本のサービスのひとつが「U2plus」でしょう。うつ病に困っている方は、U2plusを使うことで、うつ病の症状改善が見込めます。U2plusの概要は下記となります。

U2plusのプログラムは、科学的に効果が実証された
心理療法のひとつ「認知行動療法」をもとにつくられました

軽度~中程度のうつ病に困っている方、うつ病を予防したい方
うつ病から寛解した後に、再発を防ぎたい方に効果が期待できます

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▲U2plus
http://u2plus.jp/

海外でも同様の、うつ病の症状を改善できるメンタルヘルスケアWebサービスの人気が高まっています。このサービスの価値は、Webサービス自体がうつ病患者にとっての治療法になることでしょう。ただ医療情報を伝えるだけでなく、Webサービスを使うこと自体が病人にとっての問題を解決することができれば、非常に多くの病人を助けることができるはずです。

ポール・グレアムが描く「医療スタートアップの未来」

あなたは、ポール・グレアムをご存知ですか?アメリカの起業家であり、スタートアップのシードファンディングを提供する著名な「Y Combinator」を創設した投資家でもあります。

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ポール・グレアム(Paul Graham)

彼は非常に優れた洞察でITやスタートアップについての考えを示すのですが、彼が医療スタートアップについて語ったことがありますので、下記にご紹介します。

「継続的な医療自動診断について」

スタートアップのアイデアを生成するために私が使う方法の1つは、未来の世代から自分たちを遡って眺めたところを想像すること。50年か100年先の人々からしたら、我々の時代の人間が心臓病や癌のような病気を症状が現れるまで待っているというのは信じられないだろう。

たとえば2004年にビル・クリントンは息切れを感じ、医者が調べて動脈のいくつかが90%以上塞がっているのが見つかり、3日後に大きなバイパス手術が行われた。ビル・クリントンが最高の医療を受けていると仮定するのは当然だ。しかし、動脈が90%以上塞がるまで90%という数字を知らずにいた。将来、こういった事はなくなる。症状が現れて癌と診断されるまで、患者が待つことはありえない。癌は即座に見つかるようになる。

継続的診断に対する障害は、医療業界に逆らっている、ということ。医療というのはいつも、患者が問題を抱えて医者に相談し、医者が問題を見つける、という事。

スタートアップが直面する技術的な問題に加え、医療系スタートアップがみんな直面する官僚主義の問題があり、何千年にも渡る医療の伝統に逆らうことになる。しかし、それはいずれ起きる素晴らしいことだ。あまりに素晴らしく、未来の人々は現在の私たち私たちが麻酔や抗生物質以前の世代を哀れむのと同じように、哀れんでいるだろう。

現代の医療は、変革の過渡期にあるでしょう。未来の理想的な視点から逆算する彼の視点を持つことが、「医療スタートアップの未来」をつくるヒントになることでしょう。

日米の医療費・医療システムの問題

アメリカの医療費が高すぎるという話題はありますが、実際にどの程度の医療費か、ご存知ありますか?最近話題になった「アメリカの盲腸手術請求書」をご紹介します。

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2013年11月17日
請求合計額        $55,029.31(約550万円)
調整          -$43,909.78
お客様の支払うべき金額  $11,119.53(約111万円)
【1ドル=100円で換算】

Sutter General Hospitalをお客様の治療にお選びいただきありがとうございます。保険会社の請求額について支払い手続きが行われましたが、それを差し引いた残高についてはお客様の責任でお支払いいただくことになっています。
全額を早急ににお支払いください。

盲腸の医療費で111万円です。日本では、高額医療費制度がありますので、手術しても月で約10万円以内で収まるでしょう。つまり、アメリカと比較して日本の医療費は10分の1で済んでいるのです。さらに、この請求書の内訳は下記です。

2013年10月1日のご利用明細
部屋とベッド使用料    $ 4,878.00(約 49万円)
薬            $ 2,420.50(約 24万円)
検査室の使用料      $ 1,408.00(約 14万円)
回復室の使用料      $ 7,501.00(約 75万円)
医療・手術器具の使用料  $ 6,428.75(約 64万円)
CTスキャン        $ 6,983.00(約 70万円)
緊急室の使用料      $ 2,703.00(約 27万円)
点滴           $ 1,658.00(約 17万円)
その他の治療サービス   $ 210.00(約 2万1千円)
麻酔           $ 4,562.00(約 46万円)
手術室サービス      $16,277.00(約160万円)

合計支払額        $55,029.31(約550万円)

支払調整
保険金手当       -$37,448.31(約-370万円)
個人保険手当      -$ 6,461.47(約- 65万円)

元々の請求金額が550万円で、保険により435万円引かれています。もし、手術をして550万円請求されたら、どうされますか?そもそも、もし550万円請求されると分かっていたら、手術を受けますか?もし、家族の手術が必要になったら、どうされますか?

アメリカの医療システムは崩壊しています。日本の医療システムはどうでしょうか?世界的にも日本の皆保険制度は評価されている、国民のための優れたシステムです。しかし、その皆保険制度により日本の医療費は膨大になり、1000兆円を超える借金大国になっています。もし理想的な医療システムをつくれるとしたら、「誰のための」「どんな」システムにすべきか、じっくり考えるべきテーマではないでしょうか。